有給休暇の付与日数|パートの比例付与と、年5日の取得義務

早田経営支援オフィス 早田直弘|杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士

有給休暇の付与日数|パートの比例付与と、年5日の取得義務のイラスト

有給休暇(年次有給休暇)の付与日数を、正社員とパート・アルバイトに分けてまとめます。あわせて、年5日の取得義務と、年次有給休暇管理簿の作り方を説明します。

この記事の内容は、2026年10月25日時点の法令と、厚生労働省の公表資料にもとづいています。

有給休暇が付与される条件

有給休暇は、雇い入れの日から6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した社員に与えます(労働基準法39条)。正社員だけでなく、パート・アルバイトも対象です。

その後は、1年ごとに、前の1年間の出勤率が8割以上であれば、新しく付与します。付与した有給休暇は、2年で時効により消滅します。使わなかった分は、翌年まで繰り越せます。

正社員の付与日数は、最大で年20日

週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上の社員の付与日数は、次のとおりです。パート・アルバイトでも、この条件に当てはまる人は同じ日数になります。

勤続6か月で10日、1年6か月で11日、2年6か月で12日です。3年6か月からは2日ずつ増え、3年6か月で14日、4年6か月で16日、5年6か月で18日になります。6年6か月以上は、毎年20日です。

パートの付与日数は、週の勤務日数で決まる(比例付与)

週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下のパート・アルバイトは、働く日数に応じた日数を付与します。これを比例付与と呼びます。週以外の期間で所定労働日数を決めている場合は、年間の所定労働日数が216日以下の人が対象です。

勤続6か月、1年6か月、2年6か月、3年6か月、4年6か月、5年6か月、6年6か月以上の順に、付与日数は次のとおりです。

週4日(年169〜216日)の人は、7日、8日、9日、10日、12日、13日、15日です。週3日(年121〜168日)の人は、5日、6日、6日、8日、9日、10日、11日です。

週2日(年73〜120日)の人は、3日、4日、4日、5日、6日、6日、7日です。週1日(年48〜72日)の人は、1日、2日、2日、2日、3日、3日、3日です。

年5日の取得義務の対象と、時季指定

有給休暇が年10日以上付与される社員には、付与した日(基準日)から1年以内に、5日を取得させる義務があります。2019年4月から、会社の規模に関係なく適用されています。

対象は、10日以上付与される人すべてです。パート・アルバイトも、週4日勤務で勤続3年6か月以上、週3日勤務で勤続5年6か月以上になると、付与日数が10日以上になり、対象に入ります。管理監督者も対象です。

社員が自分で取得した日数と、計画的付与で取得した日数は、5日から差し引けます。5日に足りない社員については、会社が取得日を指定します。これを時季指定と呼びます。時季指定をするときは、社員の意見を聞き、できるだけ希望に沿うよう努める必要があります。

年5日の時季指定は、就業規則に書いてから

常時10人以上の労働者を使う事業場では、休暇に関する事項を就業規則に定める義務があります(労働基準法89条)。会社が時季指定をする場合は、対象者と指定の方法も記載します。

就業規則を会社の方針を伝える道具として見直す話は、「中小企業の就業規則の見直し」に書きました。

年次有給休暇管理簿の作り方と保存期間

会社は、社員ごとに年次有給休暇管理簿を作る必要があります。書くのは、基準日、取得した日数、取得した日付の3つです。

様式は決まっていません。労働者名簿や賃金台帳に3つの項目を書き足す方法や、表計算ソフトや勤怠システムのデータで管理する方法も認められています。保存期間は、その有給休暇の期間が終わってから3年間です。

年5日の取得義務の罰則

年5日を取得させなかった場合は、30万円以下の罰金の対象になります(労働基準法120条)。就業規則の作成義務がある事業場で、必要な記載をせずに時季指定をした場合も、30万円以下の罰金の対象になります。厚生労働省の資料では、年5日の違反は、対象になる社員1人ごとに1罪として扱われると説明されています。

年5日の取得は、年度末にまとめて確かめると間に合わないことがあります。年次有給休暇管理簿で、基準日から半年ほどの時点で取得日数を見ておくと、時季指定の準備ができます。

有給休暇の管理の仕方や、就業規則への書き方は、労務のページからご相談ください。いまの就業規則を無料で診断する就業規則の無料診断も受け付けています。

制度の詳しい内容は、厚生労働省の確かめよう労働条件「年次有給休暇」で確認できます。

この記事を書いた人

早田直弘

早田直弘(そうだ なおひろ)

中小企業診断士・社会保険労務士

早田経営支援オフィス代表。

人の問題を経営改善の視点から、経営の問題を人の切り口から、複合的に根本から解決していく、杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士。

さらに詳しく →
← ブログ一覧へ戻る