キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給額と要件|2026年度の概要

早田経営支援オフィス 早田直弘|杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士

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キャリアアップ助成金の正社員化コースについて、2026年度(令和8年度)の支給額と要件の概要をまとめます。細かな要件は、厚生労働省のパンフレットと支給要領で確認してください。

この記事の内容は、厚生労働省の2026年4月8日付けの令和8年度版の資料にもとづき、2026年10月25日に確認したものです。

正社員化コースは、有期・パートを正社員にした会社への助成金

キャリアアップ助成金は、有期契約の社員、パート・アルバイト、派遣社員の処遇を改善した会社に支給される、厚生労働省の助成金です。いくつかのコースがあり、正社員化コースはその一つです。

正社員化コースは、有期契約の社員やパート・アルバイトなどを、正社員に転換した会社が対象です。窓口は、各都道府県の労働局です。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給額

支給額は、転換前の雇用形態と、本人が「重点支援対象者」に当たるかどうかで変わります。以下は、中小企業の場合の1人あたりの金額です。

有期契約から正社員にした場合、重点支援対象者なら80万円です。40万円ずつ2回(2期)に分けて支給されます。重点支援対象者でなければ、40万円を1回です。

期間の定めのない契約(無期雇用)から正社員にした場合は、重点支援対象者なら40万円(20万円ずつ2期)、それ以外は20万円(1期)です。

大企業は、それぞれ金額が少なくなります。申請の上限は、1つの事業所で1年度20人です。ただし、同じ対象者の2期目の申請は、この上限人数に含めません。

支給額が上がる重点支援対象者

重点支援対象者は、主に次の人です。雇い入れから3年以上たつ有期契約の社員。雇い入れから3年未満の有期契約の社員で、この会社に雇い入れられた日の前日から遡って、過去5年間の正社員としての勤務期間が合計1年以下、かつ過去1年間は正社員として働いていない人。このほか、派遣社員、母子家庭の母等なども含まれます。

なお、有期契約で通算5年を超えて雇われている人は、無期雇用として扱われます。また、2026年4月1日に雇い入れた新卒者は、2027年3月31日まで対象外です。1年経過後は支給対象になり得ますが、先ほどの「勤続3年未満で、過去の正社員歴が少ない人」という条件では、重点支援対象者にはなりません。

支給額に上乗せされる加算

条件を満たすと、1事業所につき1回だけ、支給額に加算があります。中小企業の金額は次のとおりです。

正社員への転換制度を新しく就業規則に定め、その制度で転換した場合は20万円です。勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれかの制度を新しく定め、その制度で転換した場合は40万円です。転換制度の概要、直近3事業年度の転換人数、転換までの平均・最短期間など、指定された情報を、自社のサイトか厚生労働省の「しょくばらぼ」で所定の条件に沿って公表すると、20万円が加算されます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の主な要件

申請の前に、準備が必要な要件があります。順番を間違えると、対象から外れるものもあります。

まず、キャリアアップ計画を作って、正社員に転換する日の前日までに労働局に提出します。計画を作るときは、社員の代表などの意見を聞く必要があります。あわせて、雇用保険の適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置きます。

次に、正社員への転換制度を、就業規則などに定めておきます。転換の対象になるのは、原則として、賃金の額または計算方法が正社員と異なる雇用区分の規定を、通算6か月以上適用されている人です。同じ就業規則の中で、正社員と非正規社員の規定を分ける形でもかまいません。

転換したあとの「正社員」にも条件があります。正社員の就業規則が適用され、賞与か退職金の制度と、昇給の制度が適用されていることです。さらに、転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金より3%以上増やす必要があります。

正社員化から支給申請までの流れ

流れは、キャリアアップ計画の提出、就業規則への転換制度の規定、正社員への転換、6か月の雇用、支給申請の順です。

支給申請は、転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に行います。重点支援対象者は、さらに6か月雇用すると、2期目を申請できます。申請先は、事業所を管轄する労働局です。郵送や窓口のほか、「雇用関係助成金ポータル」から電子申請もできます。

このほか、支給申請の前1年間に労働関係の法令違反がないことなど、会社側の要件もあります。

使うかどうかは、正社員化が会社に必要かで決める

助成金は一度きりの収入です。正社員にしたあとの賃金、賞与や退職金、昇給は、その後もずっと続きます。助成金を受け取るために正社員化するのではなく、もともと正社員にしたい人がいる会社が、その後押しとして使う制度です。

正社員への転換制度は、就業規則に定めておく必要があります。転換制度や就業規則の見直しのご相談は、労務のページからどうぞ。いまの就業規則を無料で診断する就業規則の無料診断も受け付けています。

制度の詳細と最新の情報は、厚生労働省のキャリアアップ助成金のページで、パンフレットと支給要領を確認してください。

この記事を書いた人

早田直弘

早田直弘(そうだ なおひろ)

中小企業診断士・社会保険労務士

早田経営支援オフィス代表。

人の問題を経営改善の視点から、経営の問題を人の切り口から、複合的に根本から解決していく、杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士。

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