業務改善助成金 2026年度の対象と申請|令和8年度のコースと助成上限額

早田経営支援オフィス 早田直弘|杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士

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業務改善助成金について、2026年度(令和8年度)の対象、コースごとの助成上限額、申請の流れと期限をまとめます。細かな要件は、厚生労働省の交付要綱・交付要領で確認してください。

この記事の内容は、厚生労働省が2026年4月22日に公表した令和8年度版の資料にもとづいています。

東京都の事業場の2026年度の受付は、2026年9月30日で終わりました(2026年10月25日に確認して追記)。来年度の申請を考える会社のために、制度の概要と申請の流れを残しています。

業務改善助成金は、最低賃金の引上げと設備投資への助成金

この助成金は、中小企業・小規模事業者の賃上げと設備投資を支える制度です。事業場内最低賃金を引き上げ、生産性を上げる設備投資などを行った場合に、費用の一部が助成されます。厚生労働省の制度で、窓口は各都道府県の労働局です。

事業場内最低賃金とは、その事業場で最も低い時間給のことです。賃金の引上げも設備投資も、これから行うものが対象になります。すでに済ませた賃上げや、購入済みの設備には使えません。

2026年度の対象になる事業場

対象は、中小企業・小規模事業者の事業場です。事業場内最低賃金が、2026年度に改定された後の地域別最低賃金より低いことが条件になります。

東京都の地域別最低賃金は、2026年10月1日から1,280円になりました。東京労働局は、事業場内最低賃金が1,226円以上1,280円未満の都内の事業場を対象としていました。

賃金を引き上げる相手は、雇用保険の被保険者で、雇い入れから6か月を過ぎた労働者です。2026年度から、雇用保険の被保険者に限られました。労働者がいない事業場や、同居の親族だけを使う事業場は対象外です。申請は会社単位ではなく、事業場ごとに行います。

最低賃金の引上げ額で決まるコースと助成上限額

2026年度のコースは、50円コース、70円コース、90円コースの3つです。それぞれ、事業場内最低賃金を50円以上、70円以上、90円以上引き上げます。助成上限額は、コースと、引き上げる労働者の人数で決まります。

50円コースの上限額は、1人30万円、2〜3人40万円、4〜5人70万円、6〜7人90万円、8人以上110万円です。70円コースは、同じ順に40万円、50万円、130万円、180万円、230万円となります。90円コースは、90万円、150万円、270万円、360万円、450万円です。

事業場の規模が30人未満の事業者は、1人と2〜3人の区分の上限額が高くなります。50円コースは40万円と70万円、70円コースは50万円と100万円、90円コースは100万円と240万円です。

事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者は、特例事業者になります。原材料費の高騰などの外的要因により、最近6か月間の平均の売上高総利益率または売上高営業利益率が、前年同期より3%ポイント以上下がった事業者も、特例事業者になります。特例事業者が10人以上の賃金を引き上げる場合は、上限額が上がります。50円コースで130万円、70円コースで300万円、90円コースで600万円です。

助成率と、対象になる設備投資の例

助成額は、設備投資などの費用に助成率をかけた額と、助成上限額を比べて、低いほうの額です。助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら5分の4、1,050円以上なら4分の3となります。

対象になるのは、生産性の向上や、仕事の効率を上げることにつながる設備投資などです。厚生労働省のリーフレットには、POSレジシステムやリフト付き特殊車両の導入が、例として挙がっています。国家資格者による業務フローの見直しや、顧客管理情報のシステム化も例の一つです。

一方で、単なる経費削減のためのものや、エアコンの設置や内装工事のような職場環境の改善は対象外です。広告宣伝費も認められません。2026年度からは、特殊用途自動車を除く自動車も除外されました。

申請から実績報告までの順番

まず、賃金の引上げと設備投資の計画を立て、労働局に交付申請を出します。賃金の引上げは、その提出後、地域別最低賃金の発効日の前日までに行います。提出より前に引き上げた場合は対象になりません。引上げ後の額は就業規則などに定め、引上げは1回で済ませる必要があります。

設備の契約や納品は、労働局から交付決定を受けたあとに行います。交付決定の前に導入した設備は、助成の対象外です。見積書は、原則として2社以上から取ります。

設備の導入と支払い、賃金の引上げを終えたら、事業実績報告書と支給申請書を出します。労働局の審査で額が確定すると、助成金が振り込まれる流れです。事業は、原則として交付決定を受けた年度の1月31日までに終える必要があります。

2026年度の申請期限は、都道府県ごとに違う

受付は、2026年9月1日に始まりました。申請期限は、その都道府県の地域別最低賃金が発効する日の前日か、11月30日の、どちらか早い日です。郵送の場合も、期限の日までに労働局に届いている必要があります。

東京都は地域別最低賃金の発効日が10月1日だったため、申請期限は9月30日で、受付はすでに終わっています。厚生労働省の地域別最低賃金の一覧を見ると、京都府は11月16日、岩手県と熊本県は12月1日が発効日です。こうした府県では、申請期限が11月にずれ込みます。

また、予算の範囲内で交付するため、期間内でも募集が終わることがあります。同じ事業場からの申請は、1年度に1回までです。

来年度の業務改善助成金は、春から準備する

2026年度は、交付要綱などが2026年4月22日に公表されました。2026年度の東京都の申請期限は9月30日でした。翌年度の申請期限は、その年度の交付要綱などが公表されたら確認してください。

設備の見積りを2社以上から取り、賃金の引上げ額を決めるには時間がかかります。制度の内容は年度ごとに変わるので、翌年度の交付要綱が公表されたら、早めに確かめてください。

申請するかどうかは、賃上げと設備投資が必要かで決める

助成金は一度きりの収入ですが、引き上げた賃金は、その後も払い続けることになります。設備投資で生産性を上げて、上がった賃金を払える体制を作ることが、この制度の前提です。もともと賃上げと設備の更新を考えている会社が、その後押しとして使う制度です。

引上げ後の賃金は、就業規則や賃金規程に定める必要があります。賃金規程の見直しや、最低賃金の引上げへの対応は、労務のページからご相談ください。

制度の詳細と最新の情報は、厚生労働省の業務改善助成金のページで、交付要綱・交付要領と申請マニュアルを確認してください。

この記事を書いた人

早田直弘

早田直弘(そうだ なおひろ)

中小企業診断士・社会保険労務士

早田経営支援オフィス代表。

人の問題を経営改善の視点から、経営の問題を人の切り口から、複合的に根本から解決していく、杉並区・中野区の中小企業診断士×社会保険労務士。

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